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第1章 国際出願及び国際調査

 ■第1章 国際出願及び国際調査

第1章 国際出願及び国際調査
第3条 国際出願
(1) 締約国における発明の保護のための出願は,この条約による国際出願としてすることができる。
(2) 国際出願は,この条約及び規則の定めるところにより,願書,明細書,請求の範囲,必要な図面及び要約を含むものとする。
(3) 要約は,技術情報としてのみ用いるものとし,他の目的のため,特に,求められている保護の範囲を解釈するために考慮に入れてはならない。
(4) 国際出願は,次の条件に従う。
(i) 所定の言語で作成すること
(ii) 所定の様式上の要件を満たすこと
(iii) 所定の発明の単一性の要件を満たすこと
(iv) 所定の手数料を支払うこと
第4条 願書
(1) 願書には,次の事項を記載する。
(i) 国際出願がこの条約に従つて処理されることの申立て
(ii) 国際出願に基づいて発明の保護が求められている1又は2以上の締約国の指定(このように指定される締約国を「指定国」という。)。指定国について広域特許を受けることが可能であり,かつ,出願人が国内特許ではなく広域特許を受けることを希望する場合には,願書にその旨を表示する。広域特許に関する条約により出願人がその条約の締約国のうち一部の国にその出願を限定することができない場合には,その条約の締約国のうち1の国の指定及び広域特許を受けることを希望する旨の表示は,その条約のすべての締約国の指定とみなす。指定国の国内法令に基づきその国の指定が広域特許の出願としての効果を有する場合には,その国の指定は,広域特許を受けることを希望する旨の表示とみなす。
(iii) 出願人及び,該当する場合には,代理人の氏名又は名称並びにこれらの者に関するその他の所定の事項
(iv) 発明の名称
(v) 指定国のうち少なくとも1の国の国内法令が国内出願をする時に発明者の氏名又は名称その他の発明者に関する所定の事項を表示することを定めている場合には,それらの事項。その他の場合には,それらの事項は,願書において又は,指定官庁の属する国の国内法令がそれらの事項を表示することを定めているが国内出願をする時よりも遅い時に表示することを認めているときは,当該指定官庁にあてた別個の届出において,表示することができる。
(2) 各指定については,所定の期間内に所定の手数料を支払わなければならない。
(3) 指定は,第43条[特定の種類の保護を求める出願]に規定する他の種類の保護が出願人によつて求められている場合を除くほか,求められている発明の保護が指定国により又は指定国について与えられる特許であることを意味するものとする。第2条(ii)[「特許」の定義]の規定は,この(3)の規定については,適用しない。
(4) 発明者の氏名又は名称その他の発明者に関する所定の事項が願書に表示されていないことは,指定国の国内法令がそれらの事項を表示することを定めているが国内出願をする時よりも遅い時に表示することを認めている場合には,当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。別個の届出においてそれらの事項が表示されていないことも,指定国の国内法令がそれらの事項を表示することを定めていない場合には,当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。
第5条 明細書
明細書には,当該技術分野の専門家が実施することができる程度に明確かつ十分に,発明を開示する。
第6条 請求の範囲
請求の範囲には,保護が求められている事項を明示する。請求の範囲は,明確かつ簡潔に記載されていなければならない。請求の範囲は,明細書により十分な裏付けがされていなければならない。
第7条 図面
(1) (2)(ii)の規定が適用される場合を除くほか,図面は,発明の理解に必要な場合に要求される。
(2) 図面が発明の理解に必要でない場合であつても,発明の性質上図面によつて説明することができるときは,
(i) 出願人は,国際出願をする時に図面を国際出願に含めることができる。
(ii) 指定官庁は,出願人に対し,所定の期間内に図面を提出することを要求することができる。
第8条 優先権の主張
(1) 国際出願は,規則の定めるところにより,工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国において又は同条約の締約国についてされた先の出願に基づく優先権を主張する申立てを伴うことができる。
(2) (a) (b)の規定が適用される場合を除くほか,(1)の規定に基づいて申し立てられた優先権の主張の条件及び効果は,工業所有権の保護に関するパリ条約のストックホルム改正条約第4条[優先権]の定めるところによる。
(b) いずれかの締約国において又はいずれかの締約国についてされた先の出願に基づく優先権の主張を伴う国際出願には,当該締約国の指定を含めることができる。国際出願が,いずれかの指定国において若しくはいずれかの指定国についてされた国内出願に基づく優先権の主張を伴う場合又は1の国のみの指定を含む国際出願に基づく優先権の主張を伴う場合には,当該指定国における優先権の主張の条件及び効果は,当該指定国の国内法令の定めるところによる。
第9条 出願人
(1) 締約国の居住者及び国民は,国際出願をすることができる。
(2) 総会は,この条約の締約国ではないが工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国であるいずれかの国の居住者及び国民に国際出願をすることを認めることを決定することができる。
(3) 住所及び国籍の概念並びに2人以上の出願人がある場合又は出願人がすべての指定国について同一でない場合におけるこれらの概念の適用については,規則に定める。
第10条 受理官庁
国際出願は,所定の受理官庁にするものとし,受理官庁は,この条約及び規則の定めるところにより,国際出願を点検し及び処理する。
第11条 国際出願日及び国際出願の効果
(1) 受理官庁は,次の要件が受理の時に満たされていることを確認することを条件として,国際出願の受理の日を国際出願日として認める。
(i) 出願人が,当該受理官庁に国際出願をする資格を住所又は国籍上の理由により明らかに欠いている者でないこと
(ii) 国際出願が所定の言語で作成されていること
(iii) 国際出願に少なくとも次のものが含まれていること
(a) 国際出願をする意思の表示
(b) 少なくとも1の締約国の指定
(c) 出願人の氏名又は名称の所定の表示
(d) 明細書であると外見上認められる部分
(e) 請求の範囲であると外見上認められる部分
(2) (a) 受理官庁は,国際出願が(1)に掲げる要件を受理の時に満たしていないと認める場合には,規則の定めるところにより,出願人に対し必要な補充をすることを求める。
(b) 受理官庁は,出願人が規則の定めるところにより(a)の求めに応ずる場合には,当該補充の受理の日を国際出願日として認める。
(3) 第64条(4)[留保]の規定に従うことを条件として,(1)(i)から(iii)までに掲げる要件を満たし,かつ,国際出願日の認められた国際出願は,国際出願日から各指定国における正規の国内出願の効果を有するものとし,国際出願日は,各指定国における実際の出願日とみなす。
(4) (1)(i)から(iii)までに掲げる要件を満たす国際出願は,工業所有権の保護に関するパリ条約にいう正規の国内出願とする。
第12条 国際出願の国際事務局及び国際調査機関への送付
(1) 規則の定めるところにより,国際出願の1通(「受理官庁用写し」)は受理官庁が保持し,1通(「記録原本」)は国際事務局に送付され,他の1通(「調査用写し」)は第16条[国際調査機関]に規定する管轄国際調査機関に送付される。
(2) 記録原本は,国際出願の正本とする。
(3) 国際事務局が所定の期間内に記録原本を受理しなかつた場合には,国際出願は,取り下げられたものとみなす。
第13条 国際出願の写しの指定官庁による入手の可能性
(1) 指定官庁は,第20条[指定官庁への送達]の送達に先立つて国際出願の写しを送付することを国際事務局に要請することができるものとし,国際事務局は,優先日から1年を経過した後できる限り速やかにその写しをその指定官庁に送付する。
(2) (a) 出願人は,国際出願の写しをいつでも指定官庁に送付することができる。
(b) 出願人は,国際出願の写しを指定官庁に送付することをいつでも国際事務局に要請することができるものとし,国際事務局は,できる限り速やかにその写しをその指定官庁に送付する。
(c) いずれの国内官庁も,(b)の写しの受領を希望しない旨を国際事務局に通告することができる。この場合には,(b)の規定は,その国内官庁については,適用しない。
第14条 国際出願の欠陥
(1) (a) 受理官庁は,国際出願に次のいずれかの欠陥が含まれていないかどうかを点検する。
(i) 規則の定めるところによる署名がないこと
(ii) 出願人に関する所定の記載がないこと
(iii) 発明の名称の記載がないこと
(iv) 要約が含まれていないこと
(v) 所定の様式上の要件が規則に定める程度にまで満たされていないこと
(b) 受理官庁は,(a)のいずれかの欠陥を発見した場合には,出願人に対し所定の期間内に国際出願の補充をすることを求める。補充をしなかつた場合には,その国際出願は,取り下げられたものとみなし,受理官庁は,その旨を宣言する。
(2) 国際出願が実際にはその国際出願に含まれていない図面に言及している場合には,受理官庁は,出願人にその旨を通知するものとし,出願人は,所定の期間内にその図面を提出することができる。出願人が所定の期間内にその図面を提出した場合には,受理官庁がその図面を受理した日を国際出願日とする。その他の場合には,その図面への言及は,ないものとみなす。
(3) (a) 第3条(4)(iv)[国際出願]にいう所定の手数料が所定の期間内に又はいずれの指定国についても第4条(2)[指定のための手数料]にいう所定の手数料が所定の期間内に支払われていないと受理官庁が認めた場合には,国際出願は,取り下げられたものとみなし,受理官庁は,その旨を宣言する。
(b) 第4条(2)にいう所定の手数料が所定の期間内に1又は2以上の指定国について支払われているがすべての指定国については支払われていないと受理官庁が認めた場合には,その手数料が所定の期間内に支払われていない指定国の指定は,取り下げられたものとみなし,受理官庁は,その旨を宣言する。
(4) 受理官庁が,国際出願日を認めた後所定の期間内に,当該国際出願が第11条(1)(i)から(iii)[国際出願日の認定]までに掲げるいずれかの要件をその国際出願日において満たしていなかつたと認定した場合には,当該国際出願は,取り下げられたものとみなし,受理官庁は,その旨を宣言する。
第15条 国際調査
(1) 各国際出願は,国際調査の対象とする。
(2) 国際調査は,関連のある先行技術を発見することを目的とする。
(3) 国際調査は,明細書及び図面に妥当な考慮を払つた上で,請求の範囲に基づいて行う。
(4) 次条に規定する国際調査機関は,可能な限り多くの関連のある先行技術を発見するよう努めるものとし,いかなる場合にも,規則に定める資料を調査する。
(5) (a) 締約国の国内法令が認める場合には,当該締約国の国内官庁又は当該締約国のために行動する国内官庁に国内出願をした出願人は,国内法令に定める条件に従い,国際調査に類する調査(「国際型調査」)がその国内出願について行われることを請求することができる。
(b) 締約国の国内法令が認める場合には,当該締約国の国内官庁又は当該締約国のために行動する国内官庁は,当該国内官庁にされた国内出願を国際型調査に付することができる。
(c) 国際型調査は,次条に規定する国際調査機関であつて国内出願が国際出願として(a)及び(b)に規定する国内官庁にされたとしたならば国際調査を管轄したであろうとされるものが行う。国際調査機関が処理することができないと認める言語で国内出願がされている場合には,国際型調査は,国際出願のための所定の言語であつて当該国際調査機関が国際出願の言語として認めることを約束しているもので出願人が作成した翻訳文に基づいて行う。国内出願及び必要な翻訳文は,国際出願のための所定の形式で提出する。
第16条 国際調査機関
(1) 国際調査は,国際調査機関が行うものとし,国内官庁又は出願の対象である発明に関する先行技術についての資料調査報告を作成する任務を有する政府間機関(例えば,国際特許協会)を国際調査機関とすることができる。
(2) 単一の国際調査機関が設立されるまでの間に2以上の国際調査機関が存在する場合には,各受理官庁は,(3)(b)に規定する関係取決めに従い,国際出願についての国際調査を管轄することとなる1又は2以上の国際調査機関を特定する。
(3) (a) 国際調査機関は,総会が選定する。国内官庁及び政府間機関は,(c)に規定する要件を満たしている場合には,国際調査機関として選定されることができる。
(b) 選定は,選定される国内官庁又は政府間機関の同意を得ること及び総会の承認を得て当該国内官庁又は当該政府間機関と国際事務局との間に取決めが締結されることを条件とする。この取決めには,当事者の権利及び義務,特に,国際調査のすべての共通の準則を適用しかつ遵守する旨の当該国内官庁又は当該政府間機関の公式の約束を明記する。
(c) 国内官庁又は政府間機関が選定される前に及び選定されている間満たしていなければならない最小限の要件,特に人員及び資料に関する要件は,規則に定める。
(d) 選定は,一定の期間を付して行うものとし,選定期間は,更新することができる。
(e) 総会は,国内官庁若しくは政府間機関の選定若しくは選定期間の更新について決定する前又は選定期間の満了前に,当該国内官庁又は当該政府間機関の意見を聴取し及び,第56条[技術協力委員会]に規定する技術協力委員会が設置されている場合には,同委員会の助言を求める。
第17条 国際調査機関における手続
(1) 国際調査機関における手続は,この条約,規則並びに国際事務局がこの条約及び規則に従つて当該国際調査機関と締結する取決めの定めるところによる。
(2) (a) 国際調査機関は,国際出願について次のいずれかの事由がある場合には,その旨を宣言するものとし,出願人及び国際事務局に対し国際調査報告を作成しない旨を通知する。
(i) 当該国際調査機関が,当該国際出願の対象が規則により国際調査機関による調査を要しないとされているものであると認め,かつ,当該国際出願について調査を行わないことを決定したこと
(ii) 当該国際調査機関が,明細書,請求の範囲又は図面が有意義な調査を行うことができる程度にまで所定の要件を満たしていないと認めたこと
(b) (a)に規定するいずれかの事由が一部の請求の範囲のみとの関連においてある場合には,国際調査報告は,当該請求の範囲についてはその旨を表示するものとし,他の請求の範囲については次条の規定に従つて作成される。
(3) (a) 国際調査機関は,国際出願が規則に定める発明の単一性の要件を満たしていないと認める場合には,出願人に対し追加手数料の支払を求める。国際調査機関は,国際出願のうち,請求の範囲に最初に記載されている発明(「主発明」)に係る部分及び,必要な追加手数料が所定の期間内に支払われた場合には,追加手数料が支払われた発明に係る部分について,国際調査報告を作成する。
(b) 指定国の国内法令は,当該指定国の国内官庁が国際調査機関による(a)の求めを正当であると認める場合に,出願人が追加手数料を支払わなかつたために調査が行われなかつた国際出願の部分は,当該指定国における効果に関する限り,出願人が当該指定国の国内官庁に特別手数料を支払つた場合を除くほか,取り下げられたものとみなすことを定めることができる。
第18条 国際調査報告
(1) 国際調査報告は,所定の期間内に,所定の形式で作成する。
(2) 国際調査報告は,作成の後速やかに,国際調査機関が出願人及び国際事務局に送付する。
(3) 国際調査報告又は前条(2)(a)の宣言は,規則の定めるところによつて翻訳する。翻訳文は,国際事務局により又はその責任において作成される。
第19条 国際事務局に提出する請求の範囲の補正書
(1) 出願人は,国際調査報告を受け取つた後,所定の期間内に国際事務局に補正書を提出することにより,国際出願の請求の範囲について1回に限り補正をすることができる。出願人は,同時に,補正並びにその補正が明細書及び図面に与えることのある影響につき,規則の定めるところにより簡単な説明書を提出することができる。
(2) 補正は,出願時における国際出願の開示の範囲を超えてしてはならない。
(3) 指定国の国内法令が(2)の開示の範囲を超えてする補正を認めている場合には,(2)の規定に従わないことは,当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。
第20条 指定官庁への送達
(1) (a) 国際出願は,国際調査報告(第17条(2)(b)[国際調査報告を作成しない場合に一部該当するとき]の表示を含む。)又は第17条(2)(a)[国際調査報告を作成しない場合]の宣言とともに,規則の定めるところにより各指定官庁に送達される。ただし,当該指定官庁が送達の義務の全部又は一部を免除する場合は,この限りでない。
(b) 送達される文書には,(a)の国際調査報告又は宣言の所定の翻訳文を含める。
(2) 請求の範囲について前条(1)の規定に基づく補正がされた場合には,送達される文書には,出願時における請求の範囲の全文及び補正後の請求の範囲の全文又は出願時における請求の範囲の全文及び補正を明記する記載を含めるものとし,また,同条(1)に規定する説明書がある場合には,その説明書を含める。
(3) 国際調査機関は,指定官庁又は出願人の請求に応じ,規則の定めるところにより,当該指定官庁又は当該出願人に対し国際調査報告に列記された文献の写しを送付する。
第21条 国際公開
(1) 国際事務局は,国際出願の国際公開を行う。
(2) (a) 国際出願の国際公開は,(b)及び第64条(3)[留保]に定める場合を除くほか,国際出願の優先日から18箇月を経過した後速やかに行う。
(b) 出願人は,(a)に定める期間の満了前のいずれの時においても国際出願の国際公開を行うことを国際事務局に請求することができるものとし,国際事務局は,規則の定めるところにより手続をとる。
(3) 国際調査報告又は第17条(2)(a)[国際調査報告を作成しない場合]の宣言は,規則の定めるところによつて公開する。
(4) 国際公開の言語,形式その他の細目は,規則に定める。
(5) 国際公開の技術的な準備が完了する前に国際出願が取り下げられ又は取り下げられたものとみなされる場合には,国際公開は,行わない。
(6) 国際事務局は,国際出願に善良の風俗若しくは公の秩序に反する表現若しくは図面が含まれており又は規則に定める誹謗の記載が含まれていると認める場合には,その刊行物においてそのような表現,図面及び記載を省略することができる。この場合には,省略した語又は図面の箇所及び数を表示し並びに請求により個別に省略箇所の写しを交付する。
第22条 指定官庁に対する国際出願の写し及び翻訳文の提出並びに手数料の支払
(1) 出願人は,優先日から30箇月を経過する時までに各指定官庁に対し,国際出願の写し(第20条[指定官庁への送達]の送達が既にされている場合を除く。)及び所定の翻訳文を提出し並びに,該当する場合には,国内手数料を支払う。出願人は,指定国の国内法令が発明者の氏名又は名称その他の発明者に関する所定の事項を表示することを定めているが国内出願をする時よりも遅い時に表示することを認めている場合において,それらの事項が願書に記載されていないときは,当該指定国の国内官庁又は当該指定国のために行動する国内官庁に対し,優先日から30箇月を経過する時までにそれらの事項を届け出る。
(2) 国際調査機関が第17条(2)(a)[国際調査報告を作成しない場合]の規定に基づき国際調査報告を作成しない旨を宣言した場合には,(1)に規定する行為をすべき期間は,(1)に定める期間と同一とする。
(3) 国内法令は,(1)又は(2)に規定する行為をすべき期間として,(1)又は(2)に定める期間よりも遅い時に満了する期間を定めることができる。
第23条 国内手続の繰延べ
(1) 指定官庁は,前条に規定する当該期間の満了前に,国際出願の処理又は審査を行つてはならない。
(2) (1)の規定にかかわらず,指定官庁は,出願人の明示の請求により,国際出願の処理又は審査をいつでも行うことができる。
第24条 指定国における効果の喪失
(1) 第11条(3)[国際出願の効果]に定める国際出願の効果は,次の場合には,(ii)にあつては次条の規定に従うことを条件として,指定国において,当該指定国における国内出願の取下げの効果と同一の効果をもつて消滅する。
(i) 出願人が国際出願又は当該指定国の指定を取り下げた場合
(ii) 国際出願が第12条(3)[国際出願の国際事務局への送付]若しくは第14条(1)(b),(3)(a)若しくは(4)[国際出願の欠陥]の規定により取り下げられたものとみなされる場合又は当該指定国の指定が第14条(3)(b)の規定により取り下げられたものとみなされる場合
(iii) 出願人が第22条[指定官庁に対する国際出願の写しと翻訳文の提出,手数料の支払]に規定する行為を該当する期間内にしなかつた場合
(2) (1)の規定にかかわらず,指定官庁は,第11条(3)[国際出願の効果]に定める効果を,その効果の次条(2)の規定による維持が必要とされない場合を含め,維持することができる。
第25条 指定官庁による検査
(1) (a) 受理官庁が国際出願日を認めることを拒否した場合若しくは国際出願は取り下げられたものとみなす旨を宣言した場合又は国際事務局が第12条(3)[国際出願の国際事務局への送付]の規定により所定の期間内に記録原本を受理しなかつたと認定した場合には,国際事務局は,出願人の請求に応じ,出願人が特定した指定官庁に対し当該出願に関する書類の写しを速やかに送付する。
(b) 受理官庁がいずれかの国の指定は取り下げられたものとみなす旨を宣言した場合には,国際事務局は,出願人の請求に応じ,当該国の国内官庁に対し当該出願に関する書類の写しを速やかに送付する。
(c) (a)又は(b)にいう請求は,所定の期間内に行う。
(2) (a) (b)の規定に従うことを条件として,各指定官庁は,必要な国内手数料の支払及び所定の適当な翻訳文の提出が所定の期間内にあつた場合には,(1)の拒否,宣言又は認定がこの条約及び規則に照らし正当であるかどうかを決定するものとし,その拒否若しくは宣言が受理官庁の過失の結果であり又はその認定が国際事務局の過失の結果であると認めた場合には,当該国際出願を,当該指定官庁に係る国における効果に関する限り,このような過失の結果が生じなかつたものとして取り扱う。
(b) (a)の規定は,記録原本が出願人の過失により第12条(3)[国際出願の国際事務局への送付]にいう所定の期間の満了の後に国際事務局に到達した場合について準用する。ただし,第48条(2)[遵守されなかった期間]の規定が適用される場合に限る。
第26条 指定官庁における補充の機会
指定官庁は,同一又は類似の場合における国内出願について国内法令に定める範囲内で及び手続に従い国際出願の補充をする機会をあらかじめ出願人に与えることなく,この条約及び規則に定める要件を満たしていないことを理由として国際出願を却下してはならない。
第27条 国内的要件
(1) 国内法令は,国際出願が,その形式又は内容について,この条約及び規則に定める要件と異なる要件又はこれに追加する要件を満たすことを要求してはならない。
(2) (1)の規定は,第7条(2)[図面の提出]の規定の適用を妨げるものではなく,また,国内法令が,指定官庁における国際出願の処理が開始された後に,
(i) 出願人が法人である場合にその法人を代表する権限を有する役員の氏名を届け出ること,又は
(ii) 国際出願の一部をなす書類ではないが,国際出願においてされている主張若しくは記述の裏付けとなる書類(出願時に出願人の代表者又は代理人が国際出願に署名している場合に,出願人が自己の署名によつて国際出願を確認するものを含む。)を提出することを定めることを妨げるものでもない。
(3) 出願人が発明者でないという理由で当該指定国の国内法令により国内出願をする資格を有しない場合には,当該指定官庁は,当該国際出願を却下することができる。
(4) 指定国の国内法令が,国内出願の形式又は内容につき,この条約及び規則に国際出願について定める要件よりも出願人の立場からみて有利な要件を定めている場合には,当該指定国の国内官庁,裁判所その他の権限のある機関又は当該指定国のために行動するこれらの機関は,この条約及び規則に定める要件に代えて当該国内法令に定める要件を国際出願について適用することができる。ただし,出願人が,この条約及び規則に定める要件が国際出願について適用されることを要求するときは,この限りでない。
(5) この条約及び規則のいかなる規定も,各締約国が特許性の実体的な条件を定める自由を制限するものと解してはならない。特に先行技術の定義に関するこの条約及び規則の規定は,専ら国際的手続について適用されるものであり,したがつて,いずれの締約国も,国際出願に係る発明の特許性を判断するに当たつて,先行技術その他の特許性の条件(出願の形式及び内容に係るものを除く。)に関する国内法令上の基準を適用する自由を有する。
(6) 国内法令は,その定める特許性の実体的な条件に関する証拠を出願人が提出することを要求することができる。
(7) 受理官庁又は国際出願の処理を開始した指定官庁は,当該受理官庁若しくは当該指定官庁に対して出願人を代理する資格を有する代理人によつて出願人が代理され又は出願人が通知を受け取るためのあて名を指定国内に有するという要件に関する限り,国内法令を適用することができる。
(8) この条約及び規則のいかなる規定も,締約国が自国の安全を保持するために必要と認める措置をとる自由又は締約国が自国の一般的な経済的利益の保護のため自国の居住者若しくは国民の国際出願をする権利を制限する自由を制限するものと解してはならない。
第28条 指定官庁における請求の範囲,明細書及び図面の補正
(1) 出願人は,各指定官庁において所定の期間内に請求の範囲,明細書及び図面について補正をする機会を与えられる。指定官庁は,出願人の明示の同意がない限り,その期間の満了前に特許を与えてはならず又は特許を拒絶してはならない。
(2) 補正は,出願時における国際出願の開示の範囲を超えてしてはならない。ただし,指定国の国内法令が認める場合は,この限りでない。
(3) 補正は,この条約及び規則に定めのないすべての点については,指定国の国内法令の定めるところによる。
(4) 補正書は,指定官庁が国際出願の翻訳文の提出を要求する場合には,その翻訳文の言語で作成する。
第29条 国際公開の効果
(1) 指定国における出願人の権利の保護に関する限り,国際出願の国際公開の指定国における効果は,(2)から(4)までの規定に従うことを条件として,審査を経ていない国内出願の強制的な国内公開について当該指定国の国内法令が定める効果と同一とする。
(2) 指定国の国内法令は,当該指定国において国内法令に基づく公開に用いられる言語と異なる言語で国際公開が行われた場合に(1)に定める効果が次のいずれかの時からのみ生ずることを定めることができる。
(i) 当該公開に用いられる言語による翻訳文が,国内法令の定めるところにより公表された時
(ii) 当該公開に用いられる言語による翻訳文が,国内法令の定めるところにより公衆の閲覧に供されることによつて公衆が利用することができるようにされた時
(iii) 当該公開に用いられる言語による翻訳文が,国際出願に係る発明を許諾を得ないで現に実施しており又は実施すると予想される者に対し出願人によつて送付された時
(iv) (i)及び(iii)に規定する措置の双方がとられた時又は(ii)及び(iii)に規定する措置の双方がとられた時
(3) 指定国の国内法令は,国際公開が出願人の請求により優先日から18箇月を経過する前に行われた場合に(1)に定める効果が優先日から18箇月を経過した時からのみ生ずることを定めることができる。
(4) 指定国の国内法令は,(1)に定める効果が第21条[国際公開]の規定に従つて公開された国際出願を当該指定国の国内官庁又は当該指定国のために行動する国内官庁が受領した日からのみ生ずることを定めることができる。当該国内官庁は,その公報にその受領の日をできる限り速やかに掲載する。
第30条 国際出願の秘密保持
(1) (a) (b)の規定が適用される場合を除くほか,国際事務局及び国際調査機関は,国際出願の国際公開が行われる前に,いかなる者又は当局に対しても国際出願が知得されるようにしてはならない。ただし,出願人の請求による場合又はその承諾を得た場合は,この限りでない。
(b) (a)の規定は,管轄国際調査機関への送付,第13条[指定官庁への国際出願の写しの送付]の送付及び第20条[指定官庁への送達]の送達については,適用しない。
(2) (a) 国内官庁は,次の日のうち最も早い日前に,第三者に対し国際出願が知得されるようにしてはならない。ただし,出願人の請求による場合又はその承諾を得た場合は,この限りでない。
(i) 国際出願の国際公開の日
(ii) 第20条[指定官庁への送達]の規定に従つて送達される国際出願の受理の日
(iii) 第22条[指定官庁に対する国際出願の写しと翻訳文の提出,手数料の支払]の規定に基づく国際出願の写しの受理の日
(b) (a)の規定は,国内官庁が自己が指定官庁とされた旨を第三者に通知すること又はその指定された事実を公表することを妨げるものではない。ただし,その通知又は公表には,受理官庁の名称,出願人の氏名又は名称,国際出願日,国際出願番号及び発明の名称以外の事項を含めることができない。
(c) (a)の規定は,指定官庁が司法当局に対し国際出願が知得されるようにすることを妨げるものではない。
(3) (2)(a)の規定は,第12条(1)[国際出願の国際事務局,国際調査機関への送付]の送付の場合を除くほか,受理官庁について適用する。
(4) この条の規定の適用上,「知得されるようにする」とは,手段のいかんを問わず第三者が知ることができるようにすることをいい,個別に通報すること及び一般に公表することを含む。ただし,国内官庁が,国際公開前又は,国際公開が優先日から20箇月を経過する時までに行われない場合には,優先日から20箇月を経過する前に,国際出願又はその翻訳文を一般に公表してはならないことを条件とする。

 

 

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